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手際

「手際がよい」とはどういうことか。

われわれは、ある作業をするのに自分ならどうするか(あるいは典型的にはどうするか)の手順とそのスピードのシミュレーション(のつもり)などにもとづき、他者(あるいは自分)の手際を評価する。
つまり、比較基準があって「手際」は評価されるのである。
そして、この比較基準は、人によって異なり得る。少なくとも人類皆同じということはないだろう。だから、手際がよいかどうか、は非常に個人的な評価である。
ある人が別の人の作業を手際がわるいと思ったとしても、また別の人はそれを手際がよいと思うかもしれない。

そしてこの比較基準がどこから来るかというと、社会心理学ではおなじみ、projectionが一役買っているだろうことは想像に難くない。
だから、「あの人は手際がよいねえ」とか「手際が悪いねえ」とかいうコミュニケーションは、実はかなり真意が伝達されにくいタイプのもののはずであり、なんとか他者の発話を自分なりに解釈するか話をあわせている程度にすぎないことが現実に少なくないと思われる。

手際の悪い人というのは自分に何かしてくれる人がみんな手際よく見えて「幸せ」かもしれない。

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