« 国 | トップページ | うちのOCW »

ceteris paribus

この言葉 ceteris paribus が私の研究において決定的に重要である。

まず、これは人間の frame problem とその対策について核心的に関係する。まさにこの「その他の事情」を明示的にリストアップしきれないことがframe problemの起源であるのだから。

そして、科学論においても ceteris paribus は重要である。現状のすべての現象的法則はこの修飾句が付いている。つまり、この条件の下で(すなわち私が研究会で表現したところの「部分世界」で)世界を記述しているのであって、これをはずしてしまう(普遍化する)ことは簡単にはできない。この困難さは、上記のframe problemに共通するものである。よって、ここで私の研究の主柱のうちの2つである frame problem と科学論がつながる。

王道たる(=心理学者ほぼ全員、そして他の多くの科学者が適用している)線型モデルに関しても、 ceteris paribus は本質的である。すなわち、線型モデルに組み込まれるある1つの説明変数の効果というのは(例えば重回帰分析の偏回帰係数)、他の変数を固定したならば、の条件付で解釈されるものである。こうすることでその変数の意味を考えるのが容易になるのだが、まさにこれは線型モデルを使うことの効能の1つであり、説明の単純化であり、多少とも正確性を犠牲にすることによる困難さの回避である。ここで、私の研究のもう一つの主柱である説明の simplicity の話がつながる。

因果概念についても ceteris paribus がついてまわる。とくに counterfactual に関しては、ふつうの人の考えるalternativeというのは1つもしくは少数の事柄だけが違えられていて、 ceteris paribus である。ここで、私の研究のまた別の主柱である conterfactual と因果認識の話がつながる。

さらには、induction や heuristic もこれらとつながるのだが、書き始めるとキリがないし、自明なので、やめておく。

ceteris paribus が人間の認識の基本的性質を如実に映し出した言葉である。

|

« 国 | トップページ | うちのOCW »

Α 科学の諸問題」カテゴリの記事

Δ 心理学の諸問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/26863/1290304

この記事へのトラックバック一覧です: ceteris paribus:

« 国 | トップページ | うちのOCW »