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truthとvalidity

先日の研究会で久々に取り上げた。

真理の概念。哲学的には主要な説が6種類ほどある。これは、おさらい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Truth
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%90%86

そして、妥当性の概念。論理学的には、シンプルな定義。
http://en.wikipedia.org/wiki/Validity
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A6%A5%E5%BD%93%E6%80%A7

で、科学的研究においての「妥当性」概念は、論理学のそれとは(派生するとは思うが)異なる意味である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Validity_(statistics)

暗黙の主流であるキャンベリアンな方法論では、次のように言われている。

We use the term validity to refer to the approximate truth of an incefece. Shadish, Cook, & Campbell (2001) p.34

また、

Validity is a property of inferences. It is not a property of designs or methods, for the same design may contribute to more or less valid inferences under different circumstances. ibid.

truthに関しても、科学者にとっては、哲学者のどれなのか的な議論はどうでもよい。

we need not endorse any one of these as the single correct definition of truth in order to endorse each of them as part of a complete description of the practical strategies scientists actually use to construct, revise, and justify knowledge claims. ibid. p.35

しかしながら、科学者も、暗黙的にせよ、truthに関する何らかの説たちにコミットしていることには変わりない。
それならば、それを明示し、妥当性概念との関係も曖昧でなくするのがbetterであることは言うまでもない。

妥当性というのは、素人向けに言えば、研究のよしあしそのもののことである。その研究報告を信じてよいかどうかのことである。

こんな、研究を行う上で根本的な概念であるのに、それに曖昧な部分を残すのはいかがなものかと誰もが思うだろう。しかし実状は、この概念は、多くの科学者にとって少なくとも明示的ではない。

深刻な問題につながるのは、truthに関してコミットしている内容が研究者によって異なる場合があって(特に近年そのようなケースが増えてきて)、そうするとまったくと言っていいほど研究者同士で話が噛み合わないことになるのである。しかしながら、このようなtruthやvalidityの概念も明示的でない場合には、当人が噛み合わないことにすら気づいていないこともある。
そしてさらに私の横っ腹を痛くしてくれるのは、そのような「気づいていない」対話にて「成功裏に終わった」とか総括された場合である。

昔からふれていることだが、そういう暗黙の前提を明示的にして、各分野で何がrequireされるのか、何はoptionalなのか、について多くの人が精力的に議論し、公表すべきだと思う。研究の評価というのは、本来それも込みでないと行えないことのはずだし。

私が知る限りでは、我々の分野の投稿規定・投稿の手びきには、体裁に関する言及しかない。内容に関しては、明文化されておらず、refereeの主観に任せられている。

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