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2010年3月

心理学は間に

すでに中にいる人ではなくこれから入ろうとする人向けの話。

大学なんかの組織やカリキュラムがよい例だが、学問は三つに大別されるのが典型的なようだ。
人文科学、社会科学、自然科学。

すると心理学は、三つの中心にある。

中心とは言っても、これらのコアであるというような意味ではない。これらのどれにも属するようでどれにも属さない。つまり間(はざま)である。


人文科学
(少なくとも日本の)大学では心理学の専攻や授業は人文系に分類されている。
この私も「文学部」で心理学を学んだ身だ。
一般の人々においても(例えば高校の先生なんかも含む)、人文系だと認識している人が多いように思われる。
そして確かに一部の心理学の下位分野は、いかにもhumanityである。

社会科学
学会や学術雑誌の体系に目をやると、心理学は社会科学(social science)の一部とされている。
電子ジャーナルのインデクスなどでも、social scienceのところを見ないと心理学の専門誌は見つからない。
研究内容は専門的には(特に海外では?)social scienceだと思われているようだ。
社会学などと同じ方法を用いる研究も確かに多い。

自然科学
しかし、現場の基礎研究者が実際にやっていることは、自然科学にほど近い。
扱っているデータ収集法や統計解析法をみても、生態学などの生物学と同じようなことをやっている。
最近は生理学や神経科学との共同研究が多くなって、ますます自然科学化している。
というか、そもそも1世紀近く前に行動主義は自然科学からの逸脱を防ぎたくて・・・(やめておこう)・・・心理学を転回させた。


こんな感じで、心理学というのは、○○△△□□学、みたいに沢山修飾が付いて「いかにも学際的ですよ」みたいな匂いを漂わせていないのに、その実、学際的である。
間にあるとは、そういうことである。
だからこそなのかどうなのか、1つのかしこまった不動の体系が確立されてはいない。

国々の中間に位置する交易都市みたいなもんである。しかし単純な名前が付いているのである。

そこには全種類の品を取り扱う商人はいない。まだいない?いるはずがない?

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