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2010年7月

exist

exist (存在する、有る) という言葉について。

皆さんたいそうこの言葉がお好きなようで、ちまたにあふれる言説では、次のような相異なる意味で同じ言葉を使っているようだ。(他にもあるかもしれない。ここにあげたのは私が見つけた範囲)
これらは区別されるべきである。なぜなら混同されると問題が生じるから。(以前にもこの点を書いた気がする。)
なので、誠実な学者としては、特に複数の意味が同一の文章に現れる場合には、これらに異なる言葉を当てるほうが望ましい。でもめんどくさいから文脈に任せて手抜きしちゃう。(そしてそもそも区別に自覚が無いケースと見分けができなくなっていく。。)

1 論理における量化子

2 認識可能性

3 現象としての現れ

4 特定の時空間上の範囲を占めること

5 特定の時空間上の範囲を占めることの可能性

6 性質や関係(機能)を持っていること

これは日常語での語用や比喩の話ではない。だから、辞書の「ある」の欄にはたくさんの用法分類が載っているだろうが、それとは観点が異なることに注意。概念の種類は辞書の項目ほどは多くないみたいだ。
学者は大真面目に専門用語として、多義性は無いと思って(?) existやexistenceなどの単語を使っているらしい。

補足説明。

1 よく使われる記号では ∃。例 「1兆より大きな素数が存在する」

2 それについて思い浮かべることができる、つまり、時によって心の中の世界に在る。例 「哲学的ゾンビは仮想の存在」

3 厳密な用語での「現象」が生じるということ。よくあるのは、感覚や感情。例 「下腹部に痛みがあった」

4 モノがそこに。まあ一番普通の「在る」。例 「うちの隣にはお寺がある」

5 上と同様に実世界について語っているが、具体的にどこどこという話ではなく可能性。例 「ユニコーンは存在しない」

6 比喩なのか真剣なのか分からんが、関係項ではなく関係自体や性質自体を存在者とする。例 「喫煙は癌と関係がある」


さて、証明に熱心な方は答えるべきと思うが、神の存在とはどの意味の存在か。これらのどれでもないなら、他にどんな「存在」を意味したいのか。
なるほど神だけ特別に、神にしか適用されない完全にnovelでuniqueな概念を当てたいのか。ならば人には理解不能だろうな。それじゃあ頼れないぞ。

続きを読む "exist"

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哀悼

後れ馳せながら、
堀啓造先生がお亡くなりになられたと聞きました。

ついに直接の面識は1度もないままのお別れとなってしまいました。

先生の多大なるご貢献を何とか後につなぎたいものです。

謹んで哀悼の意を表します。

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